電機・電子業界の温暖化対策

Effective Action on Global Warming Prevention by Japanese Electrical and Electronics Industries

私たちの課題認識と使命人類の喫緊の課題 ―地球温暖化問題を見据えて。

地球温暖化をめぐる世界の動き

2016年に発効した「パリ協定」では、地球上の平均気温の上昇を産業革命前より2℃未満に抑えること(2℃目標)を世界共通の長期目標とし、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることをめざしています。また、同年に発効した国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」では、気候変動対策を実施することを目標の一つとしています。

日本では、2016年に閣議決定された「地球温暖化対策計画」において、温室効果ガスを2030年度に2013年度比で26%削減するという中期目標と、その達成に向けた各部門(産業・業務・家庭・運輸・エネルギー転換)における2030年の排出削減目標が掲げられています。

これら国内外の動向を踏まえ、産業界は、部門間の連携による社会全体、そしてグローバル規模での温暖化防止に取組んでいます。

電機・電子業界の使命

あらゆる部門に幅広い製品・サービスを提供

電機・電子業界は、産業・業務・家庭・運輸・エネルギー転換のあらゆる部門に多様な製品・サービス(機器、電子部品・デバイス、ソリューションなど)を供給しています。こうした事業特性を踏まえて、バリューチェーン全体を視野に社会全体の温暖化防止に貢献することをめざしています。

バリューチェーン全体を通じた貢献

電機・電子業界は、生産活動における省エネ対策を長年継続し、CO2削減量あたりの投資額は増加傾向にある中、エネルギー効率の良いモノづくりに努めています。(図1)

一方で、製品のライフサイクルの各段階でCO2排出量を比較すると、特に家電や産業機器などでは生産時より使用時が大きい傾向があります。(図2)

そのため、機器および電子部品・デバイスの省エネ性能の向上や、エネルギー使用の効率化を実現するIT/IoTソリューションの開発を着実に進め、それらを広く社会に普及させていくことにより、バリューチェーン全体のCO2排出抑制に貢献しています。(図3)

図1 省エネ投資および累積省エネ(CO2排出削減)量の実績

省エネ投資および累積省エネ(CO2排出削減)量の実績

図2 ライフサイクルごとのCO2排出量比較(例:冷蔵庫)

ライフサイクルごとのCO2排出量比較(例:冷蔵庫)

出典:(一社)日本電機工業会

図3 日本の部門別2排出量割合(2016年度)と電機・電子業界の各部門への貢献

日本の部門別CO2排出量割合(2016年度)と電機・電子業界の各部門への貢献

出典:(国研)国立環境研究所温室効果ガスインベストリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ2016年度確定値」および経団連「低炭素社会実行計画2017年度フォローアップ結果総括編〈2016年度実績〉」から電機・電子温暖化対策連絡会で作成

電機・電子業界「低炭素社会実行計画」
〜エネルギー起源CO2排出抑制〜

電機・電子業界は、2020年に向けて経団連が策定した低炭素社会実行計画※1に参加し、生産プロセスのエネルギー効率を年平均1%改善することを目標としています。また、製品・サービスによるCO2排出抑制への貢献をめざして、排出抑制貢献量の算定方法を確立し、毎年度の業界全体の実績を公表しています。

さらに、低炭素社会実行計画フェーズⅡ※2を策定し、2030年の目標達成をめざして継続的に活動しています。(図4、5、6)

これらに加え、日本政府が推進するグローバル・バリューチェーンを通じた排出抑制貢献量の定量化促進に関する産業界の取組みにも参加しています。

※1
2009年12月、経団連は2020年を目標とする新たな自主的な取組みとして、「低炭素社会実行計画」の策定・推進を表明しました。経団連は同計画参加業種に対して、地球規模の低炭素社会づくりを進める観点から、a)国内企業活動における2020年までのCO2排出削減目標の設定、b)製品やサービスなどによるライフサイクルを通じたCO2排出削減の推進、c)国際協力や国際貢献活動の推進、d)中長期の低炭素化実現に資する革新的技術開発の推進、の4つを柱に、自らが主体的に取組む内容をメニュー化し、公表・実施することを求めました。同計画に基づき、2013年1月、電機・電子業界を含めた参加36業種が低炭素社会実行計画を公表しました。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/003.html
※2
2015年4月、経団連は、2030年に向けた経済界のさらなる挑戦として、低炭素社会実行計画フェーズⅡを策定しました。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/031.html

図4 電機・電子業界「低炭素社会実行計画」の概要

電機・電子業界「低炭素社会実行計画」の概要

図5 生産プロセスのエネルギー効率改善目標

生産プロセスのエネルギー効率改善目標

図6 製品・サービスによる排出抑制貢献量の算定方法

製品・サービスによる排出抑制貢献量の算定方法

エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス削減への取組み

電機・電子業界では、エネルギー起源のCO2だけでなく、さまざまな温室効果ガスの削減に取組んでいます。

例えば、半導体や液晶ディスプレイの製造工程で用いるガスや電子部品などの洗浄剤・溶剤※3、電力用機器の電気絶縁ガスなどには、温室効果ガス(HFC、PFC、SF6、NF3など)が使用されています。これらに対し、製品分野ごとに排出量削減の自主目標を設定し、その達成をめざしています。(図7)

※3
揮発性があるため温室効果ガスに含まれる。

図7 半導体分野におけるPFC等排出量(CO2換算)実績推移

半導体分野におけるPFC等排出量(CO2換算)実績推移

出典:(一社)電子情報技術産業協会

  • 電機・電子業界の温暖化対策 日本語版
  • 電機・電子業界 低炭素社会実行計画 実施要領

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